製品開発・試作のサイクルタイム大幅短縮と量産まで

【第18回】建設業界における3Dプリンターの活用

最近ホームページからの問合せで、大きめの造形物の製作に関する問い合わせが増えてきています。

 

例えば、250~300mm角の複雑な板金部品や500mm角以上あるような製品なども問合せを受けることがございます。

 

残念ながら、弊社が導入している「ProXDMP200(3Dsystems社)」は、造形できるエリアが、140mm(幅)×140mm(奥行)×100mm(高さ)となっており、作れるもののサイズに制限がありお断りしているのが現状ですが、大きいサイズの3Dプリンター造形といえば、建設業界における3Dプリンターの活用がそれにあたります。

 

日本の建設業界は慢性的な人手不足状態となっており、これまで人の手により作られていた建造物などを3Dプリンターを使って最小限の人手で建造していく・・・。こんな将来がすぐそこまで近づいてきています。

 

特に海外では、「建設用の3Dプリンターで橋や住宅を造る――」このような事例が散見され始めており、日本でも技術導入や開発の動きが遅ればせながら見え始めているようです。

 

・意匠性を追求した樹脂型枠を製造、竹中工務店の3Dプリンター活用(2019/07/11 日経XTECHより引用)

・特殊ノズルで複数の造形物を同時製作、大成建設の3Dプリンター(2019/07/08 日経XTECHより引用)

・日本でも大林組が小規模橋で試験施工、建設用3Dプリンター(2019/06/27 日経XTECHより引用)

 

現状では、樹脂やセメント、コンクリートなどの素材による3Dプリンターの活用が進みつつあるようです。

 

 

一方、海外では、3Dプリンターで建造されたステンレス鋼構造のメタル3Dプリント橋が完成しています。

 

・MX3Dはセンサー類をインストールした世界最大の金属3Dプリントブリッジを完成させた(2018/04/05 3DP id.artsより引用)

MX3D Bridge

3Dp id.artsより引用

 

今後は3Dプリンターで作れるものがどんどん大型化していくことが予想されます。

ただし一方で、現状の3Dプリンターの技術では、造形物が大型化するとその分熱によるひずみが大きくなり、精度が落ちてしまうというデメリットもあります。

 

今後の技術発展により解消される可能性もありますが、私たちODECは、製品の大きさよりも、金属の3Dプリンターで造形した製品の精度にこだわっていきたいと考えています。

 

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