金属3Dプリンターの特徴は、図面なしに、形状を示すデジタルデータから複雑な形状の金属部品を直接造形出来ることです。近年、金属材料(粉末)を用いた3Dプリンターの活用も盛んになっています。形状の自由度の幅が広いことや、従来の金属加工方法に比べ製作にかかる工数が少ないことが魅力となり、製品試作を中心に、実用化が進んでいます。
金属3Dプリンターには、様々な造形方法が開発されていますが、大きく分けると「パウダーベッド方式」と「メタルデポジッション方式」の二つに分けられます。
【パウダーベッド方式】
金属粉末(パウダー)を敷き詰め、熱源となるレーザや電子ビームで造形する部分を溶融・凝固させる方法です。
敷き詰められた金属粉末のステージを徐々に降下させることで、積層ごとに溶融・凝固を繰り返していきます。
造形終了後には、固化していない粉末を取り除いて造形物を取り出す必要があります。
【メタルデポジッション方式】
溶融した金属材料を所定の場所に積層・凝固させて造形する方法です。
金属粉末を材料とする(1)レーザビーム熱源方式と、合金ワイヤーを材料とする(2)アーク放電方式があります。
パウダーベッド方式に比べ、高速造形が可能ですが形状精度は低いです。また、パウダーベッド方式と異なり、造形終了後にパウダーの除去作業は不要です。
金型などの金属材料へ追加工(肉盛り)もできます。
金属3Dプリンターにおいて、造形物の強度は最も大きな懸念事項となるかと思います。
結論から言うと、現在の金属3Dプリンターによる造形技術においては、引張強度・降伏強度など量産と同等に近い強度が出ており、問題ないとされています。作り初めのころは強度で悩むことも多かったようですが、試験を重ねて作られているので、高い強度を実現することができています。
ただし、疲労強度については、まだ弱い部分があるので、その点は今後の課題となっています。
材料にも異なりますが、実力値としては±0.1程度と考えていただけましたら幸いです。
ODECではNC旋盤やマシニングなど、切削加工設備による仕上げ加工を行うことで、高精度が必要な製品にもご対応いたします。
ProXDMP200のテーブルサイズ(造形エリア)は、140mm×140mm×100mm(H)となっておりますので、基本的にはこれが造形物の最大値となります。
上記のサイズを超える製品に関しても、対応を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
2019年1月現在対応可能な材料は、「ステンレス材(SUS630相当材・17-4PH)」「アルミ合金(AlSi12)」の二種類となっています。
上記以外の材質に関しましては、ご相談ください。
3Dデータをいただきましたら、造形時間を算出し、金額提示を行わせていただきます。
一言でいうと「今までに作れなかった形状」で設計された部品です。例えば、航空機のエンジン部分や中空構造を持つノズルなど、内部形状を造形できることが最大の特長です。
また、このような中空形状がある製品を一体型で造形可能なので、コスト面や製品品質の向上なども見込むことが出来ます。