世の中の様々な分野で開発・活用され始めている3Dプリンターを紹介いたします。
今回は、食品分野から3Dプリンターの開発・活用事例をご紹介。
3Dフードプリンティングの技術は、「食×デジタル」によって、これまでに難しかった消費者1人1人の趣味嗜好や体調までを踏まえた、「パーソナライズ化」を実現することができる技術として注目されています。
「Tepology(トポロジー)」は、バター専門ブランド「カノーブル」を展開する、ナショナルデパートが自社の商品開発を行う上で、開発したスイーツ専用の3Dプリンティングシステム。クリームやスポンジケーキなどのスイーツを構成するための食材を格納するストレージと食材を射出する4軸アームで構成される「Tepology(トポロジー)」は、セットされた食材が、機器内のポンプで接続したチューブを通してアーム部分に送液され、先端の口金から射出される仕組みだ。
これまでのケーキはスポンジとクリームの積層によるものが主流だったが、3Dプリントなら複数のフレーバーの食材を立体的に造形することができ、今までにない複雑な食味を実現できるそうだ。
(ナショナルデパートのWebサイトより引用)
オランダに本社を置くFoodJet社が開発を進めるチョコレート用3Dプリンターは、顧客の要求に応じた複雑な形状のチョコレートバーの製造を得意とする。もちろんバーの形状以外にも、ドーナツの形をしたチョコレートやナッツなどを混ぜ込んだチョコレートを含め、数千にも及ぶ種類・形のチョコレートの大量生産ができる。つまり。今までは複雑な装飾になるため手作業で少量しか作ることができなかった高級店のチョコレートが、店頭にズラリと並べられ、安価に手に入るようになるかもしれない。
グラフィック装飾が施されたドーナツ(FoodJet社のサイトより引用)
OPEN MEALS Projectとは、電通・山形大学・デンソーウェーブ・東北新社によるチームプロジェクト。あらゆる食をデータ化して、FOOD BASEに蓄積。そのデータを味や食感、栄養素まで再現できる3Dフードプリンター。『PIXEL FOOD PRINTER』で出力する事で、世界中の誰もがダウンロードできるオープンな食のプラットホームを構築。もちろん、宇宙も視野に実現にむけて試みている取り組み。
PIXEL FOOD PRINTERで出力された、お寿司(https://www.open-meals.com/より引用)
3Dプリンターで出力された食品を口にするには、なぜか少し抵抗がありますが、
このような技術がどんどん広まっていって、各個人の趣味嗜好や状態にマッチした食べ物が、
超効率的に提供できるようになる。そんな社会が近づいてきているのでしょうね。