製品開発・試作のサイクルタイム大幅短縮と量産まで

金属3D(流体制御機器部品)事例をご紹介(Kansai-3D実用化プロジェクト)【第55回】

先月の15日に、Kansai-3D実用化プロジェクトの「3D積層造形によるモノづくりプロセスのモデル化」成果発表会が、大阪市梅田で開催されました。ODECは金属3D受託造形の協力企業として参加させていただきました。

 

Kansai-3D実用化プロジェクトは、近畿経済産業局が日本国内での3Dものづくりを広めるために立ち上げたプロジェクトで、立花エレテック様が事務局となっています。

 

コロナ禍により製造業は、世界的にも厳しい状況が続くものの、3Dプリンター分野におけるグローバル市場予測は、2023年に2兆8700億円と、18年の2倍以上の成長が見込まれ、着実に成長を続けているという説明がありました。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)においても、3D積層技術は製造プロセスの多くをデジタル化できるため、非常に期待されている分野であることを認識しました。

 

さて、ODECが今回ご協力させていただいた、中北製作所様のバタフライ弁(流体制御機器部品)をご紹介します。

中北製作所様は当日、トップバッターで登場されて、非常に素晴らしい製品の研究開発結果を発表されていました。

 

材質は、SUS630で製作されており、3D造形後、熱処理及び機械加工を行われています。

 

金属3Dプリンターで作ったバタフライ弁

金属3Dバタフライ弁(中北製作所様)

 

特徴的なのは、0.4mmほどの微細な隙間が設計された内部形状。これがある特定の条件化において気密性を確保できる構造になっているとのこと。これを製作するためには、複数部品を製作し、溶接工程により一体化する必要があり、隙間を再現するためには、精密な位置合わせと溶接技術が必要で、技能継承などにも課題があったそうです。これを3Dプリンターで一体で造形することで、工程の大幅短縮と製品機能の向上ができたとのことです。

 

3Dの研究開発における検証結果などの詳細は、一般に公開されることは少ないため、非常に参考になる事例であると思います。上記のような金属3Dプリンターを活用した製品開発を、ご協力させていただいておりますので、ご興味がりましたらお気軽にお問合せください。開発後の量産化までご相談させていただきます。

 

当日の様子は、下記よりご確認いただけます。

■「3D積層造形によるモノづくりプロセスのモデル化」成果発表会(3/15)のダイジェスト版Youtube動画配信

■「Kansai-3D実用化プロジェクト」が挑む!3D積層技術によるモノづくりDXの実践と課題

Kansai-3D実用化の取り組みWeb記事(ニュースイッチ)
https://www.sotuu.net/php/link.php?q=63H_BG1uoMUEKT5sRbLwIPcDlQgiz 

 

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