今回は、金属3Dプリンターで製作された部品の強度について、改めてご説明していきたいと思います。
強度に疑問を持たれている開発者の方は、まだまだ、多くいらっしゃる状況だと思います。基本的な考え方として、金属3Dプリンターで製作されたものは、緻密な造形ができる条件となっていれば(造形密度が十分であれば)、通常の鋼材からの削り出し品等と比較し、同等以上の硬度や強度を実現しています。
ただし、十分な造形密度が出ていない場合や、形状により緻密な造形ができない場合などは、強度不足に陥るリスクがあるので、その点を十分に注意をする必要があります。
※・・・換算値
上段が金属3D製作品の硬度及び強度、下段がJIS規格における材質の強度となっています。
このように金属3D製作品は、硬度・強度ともに問題なく、最終製品として使用可能であることが分かると思います。
※・・・換算値
次に、SUS316Lの硬度と強度に関しても比較してみましょう。
SUS316Lは、熱処理をせずに使用することが多いかと思いますが、熱処理前強度で比較すると、金属3D造形品はむしろ鋼材などのJIS比較値以上の硬度や強度を実現していることが分かります。
このように、金属3D製作品は強度に問題がないことを説明させていただきましたが、注意点もあります。それは、造形条件により、強度が落ちる可能性があるということです。このデータは、緻密な造形がされ、ほぼ100%に近い密度が出ている状態での製品強度を表しています。ということは、造形密度が落ちると、強度や耐久性が落ちるということにつながります。
そのために、ODECでは、それぞれの造形ごとに密度計測用のサンプルを作成し、密度測定を毎回行うことで、
造形品の品質を保証させていただいております。金属3D製作品が製品として使用できるかどうか疑問がありましたら、お気軽にご相談ください。