「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」という『カーボンニュートラル』目標。カーボンニュートラルの達成のためには、温室効果ガスの排出量の削減 並びに 吸収作用の保全及び強化をする必要があり、自動車業界を中心に、カーボンニュートラルを達成するための取り組みが広がってきています。
AMとカーボンニュートラルすなわち脱炭素とのかかわりは、どのようなものでしょうか?
一つは、バイオ関連で、3Dプリンターの活用が活発になってき始めました。
培養肉企業MeaTechが約100グラムの3Dプリントされた培養ステーキ肉の生産に成功(Foovo(フーボ))
脱炭素を目指す中で、牛肉の生産で排出される二酸化炭素の量を削減しようという動きが世界中で広がっており、
特に中国で人口肉(代替肉)が急速に広がりを見せているようです。
このような人口肉(代替肉)を3Dプリンターで生産するという技術が広がることで、脱炭素化に貢献しているようです。
オフィス家具の分野では、環境負荷の少ないバイオマスプラスチック素材使用したAM製の家具の開発について
先日ニュース記事が出ていました。
オカムラ、3Dプリンターでオフィス家具を製作(ImpressWatch)
このプロジェクトは、環境負荷の少ないバイオマスプラスチック素材を使用して、3Dプリンターでオフィス家具を製作するという取り組みであるとのこと。
慶應義塾大学SFC研究所ソーシャル・ファブリケーション・ラボとのコラボレーションによるプロジェクトで、後にリサイクルしやすいよう、材料の単一化(モノマテリアル化)も進めるという、ラボが提唱するコンセプトも取り入れているようです。
また環境負荷を低減するため
・材料素材は、サトウキビから作られる「バイオポリエチレン」。既存材料と比較しCO2発生量を70%も削減。
・金型が不要で、生産準備段階での資源や費用を削減。
・製造時の無駄な材料消費、騒音、消費電力を抑える(設備は一台で完結させる)。
・納品地に近い場所まで素材を運び、近くに3Dプリンターを設置して生産することも可能(保管や運送に伴う環境負荷を低減)。
上記のようなポイントがあるようです。
このように、環境負荷の低減は、これからの世界及び社会全体のテーマとなっていきます。
AMは材料のリサイクルなど、「必要な材料・資源」のみを使用して製造を行うことができます。AMの特性を生かした環境負荷軽減に対する対策なども
考えていく必要があるのかもしれません。
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