製品開発・試作のサイクルタイム大幅短縮と量産まで

【第1回】金属3Dプリンターで造形できる材料(ステンレス編)

金属3Dプリンターにおいては、原材料を金属粉末の状態で購入し、この金属粉末をパウダーベッド方式、デポジション方式などいろいろな方式により、造形を行っていきます。

 

【ステンレス鋼とは】
ステンレス鋼とは13%以上のクロムを含んだ鋼のことです。クロムは不思議な物質で、鉄のなかに入ると表面に100万分の3mmという薄い膜を作って、さびを防ぎます。この膜はたいへん強く、たとえ壊れてもまわりに酸素があればすぐに再生します。現在、ステンレス鋼の種類は100種以上あるといわれています。

ステンレス鋼は組織と成分から3種類に分けられます。一般に、オーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系の順に錆びにくく上等とされています。ところが強度から見るとその反対にマルテンサイト系が最も強く、オーステナイト系が最も劣ります。

 

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【金属3Dプリンターで造形可能なステンレス鋼】

・SUS630 (ステンレス)
SUS630は析出硬化系のステンレスで、⾼強度、⾼硬度を必要とする部品・製品に向いています。 ステンレスとしての耐⾷性は「マルテンサイト系<フェライト系<オーステナイト系」の順となります。

・SUS316L(ステンレス)
SUS316Lは、オーステナイト系ステンレスに分類される316の極低炭素鋼(Low Carbon)です。
耐⾷性については、SUS304より優れています。

 

■SUS630やSUS316Lの代表的な活用用途(金属3Dプリンター)
・航空機部品
・機械部品
・治⼯具、等

 

その他のステンレス鋼は、3Dプリンターメーカーより造形パラメーターが提供されていないため(各装置メーカーにより異なる可能性が有りますが)、造形パラメーターが用意されていない場合、材料開発が必要となります。

また、現状機械加工でできるものを置き換えても価格的には厳しいことが多いです。
というのも、金属3Dプリンターで使用するステンレス金属粉末は、一般的に丸材・角材で販売されているものと比較し、約10~20倍の原材料費用がかかります。

 

そのため、既存の金属切削加工や金属プレス加工などで実現出来なかった形状造形に特化する事が、金属3Dプリンターの重要な活用ポイントとなります。

 

 


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