金属3Dプリンターでのチタン造形委託を行う上での失敗しないためのポイントを5つまとめました。
一般的には、64チタンで造形を行うことが多いですが、医療分野などでは、純チタンが採用されることも多く、
軽量で、強度がたかく、生体適合性が高いチタン材料は、高付加価値な製品を作るうえで最適な材料となります。
1.チタンと金属3Dプリンターの相性
2.チタンで金属3Dプリンター造形品を設計時の留意点
3.チタンの材料選定と粉末品質チェック
4.航空宇宙用途特有の品質・規格適合
5.造形委託先選定と工程管理の重要ポイント

チタンは比強度の高さと耐食・耐熱性、疲労耐性があり、航空宇宙や医療で重宝されています。粉末床溶融結合(PBF)による金属3Dプリンターは、複雑な格子構造や部品一体化が可能であり、従来難しかった内部通路や薄肉形状も作れるため、チタンと非常に相性が良い製造法といえます。
金属3Dプリンターでは以下を意識した設計が重要です:
・最小肉厚:PBFでは0.4–0.5 mmを下回らない設計が推奨されます。薄すぎると密度不足や寸法誤差の原因になります。
・サポート構造:オーバーハング部には45°以上の勾配をつけ、サポート削減と後処理時間の短縮を図ります。
・粉抜きと内部構造:格子構造には粉が残留しないよう粉抜き孔を設けることが不可欠です。
・後加工対応:ねじ山やシール面など精度必要部は、CNC加工を前提に余裕を持たせた設計にしておくと精度確保とコスト軽減につながります。

■材料選定は機械特性と造形安定性の両面から重要です:
〇主な合金:Ti‑6Al‑4V(Gr.5/23)は最も一般的。航空用はTC4, TC6, TA15など用途に応じた合金選定が鍵。
〇粉末品質の必須項目:粒径分布と形状(球形粉末が流動性に優れる)
〇酸素含有量:≤0.1 %が望ましい
〇ロット履歴とトレーサビリティ
〇再利用方針(粉末劣化・混合による品質劣化を防ぐ管理体制)
航空宇宙用途では「航空グレード粉末」であること、適切な保管・管理条件が維持されていることも重要です。
航空宇宙分野では以下の要件が求められます:
〇規格認証:ISO 9001に加え、AS9100(航空)、Nadcap(熱処理・試験監査)の取得が必要となる。
〇品質試験:密度比重測定、不活性ガス置換の真空焼鈍(ストレスリリーフ)、超音波・X線による内部欠陥検査、引張・硬さ・疲労試験、腐食・熱サイクルなどの環境試験
〇実用途部品の例:GE航空用燃料ノズルやAirbus A350のブラケットなど、軽量化と強度向上の実証製品実績があります。
参考資料:ISO 9001(一財 日本品質保証機構HP )、AS9100(ペリージョンソン レジストラーHP)
信頼性ある業者を選定するためには以下を確認してください:
〇造形設備・技術力:SLM(レーザー)とEBM(電子ビーム)どちらも選択肢。EBMは内部欠陥少・高温処理一体。
〇造形プロセス管理:ビルド条件の記録、粉末再利用条件、ロットトレーサビリティ、装置キャリブレーション等。
〇現地レビュー:造形現場の粉塵対策、労働環境、品質試験設備の有無(超音波、CT、焼鈍炉など)を確認。
〇納期・コミュニケーション:設計変更時のレスポンス、品質報告書の提示方法、納期管理体制も重要な評価指標です。
