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【第11回】析出硬化処理とは~SUS630造形物に対する熱処理

ODECにてステンレスの造形を行う場合、金属粉末は主に17-4PH(SUS630相当材)を使用しています。

SUS630は析出硬化系ステンレスの代表鋼で、耐食性と高強度を兼ね備えています。

これに加え、析出硬化熱処理(時効硬化熱処理)を施し、Cu-rich相を析出させることで、高強度と高硬度を得られます。

 

■以下に17-4PHの物性一覧表を掲載いたします。

17PH-4 物性一覧

 

■析出硬化処理とは?

析出硬化処理とは、固溶化熱処理後に析出硬化(時効硬化)を人工的に行う処理です。
600番台のステンレスの他にベリリウム銅や一部のアルミニウム合金(2000番台、6000番台、7000番台など)に対して行われる処理です。

 

SUS630はマルテンサイト系析出硬化ステンレス鋼(17Cr-4Ni-4Cu-Nb)で、Cuの添加により析出硬化性を付与し、シャフト類やタービン部品、スチールベルト素材などに使用されます。
固溶化熱処理(S処理)後に、H900(470~490℃)からH1150(610~630℃)の4段階に規定された析出硬化処理を行う事によって高強度、高硬度を得る事ができます。

 

SUS631はセミオーステナイト系ステンレス鋼(17Cr-7Ni-Al)で、Alの添加により析出硬化性を持たせ、スプリングやワッシャー、シャフトなどに使用されます。
固溶化処理(S処理)後に、T処理、R処理、C処理などのマルテン化処理を行ってから、H処理(析出硬化処理)を行います。
硬さ、耐力、引張り強さなどは、T処理の方が優れますが、バネ性を持たせるならR処理が必要です。
また、固溶化状態では非磁性ですが、析出硬化処理後は強磁性になります。

 

また、析出硬化系ステンレスは焼入鋼と比較して、低温の熱処理で高硬度化するので、焼入れでの諸問題(熱処理変形、歪み、寸法変化、焼き割れ、残留オーステナイトに起因する経年変化、他)が少ないのが特徴です。

 

17-4PH 造形例

 

 

金属3Dプリンターで製品や部品の製造を行う場合、材質に関する物性は最も気になる部分であると思います。

上記のような物性データなど、ご希望に応じて、可能な限りデータ提供させていただきながら、より一層金属3Dプリンターの製品製造への活用を進めていきたいと考えています。