製品開発・試作のサイクルタイム大幅短縮と量産まで

【第14回】金属3Dプリンターで造形できるステンレス材料(機械特性比較)

現在、弊社で造形するものの多くは、ステンレスの金属粉末材料を使用しています。

最初のご希望としては、既存の金属加工でよく使われるSUS304でご依頼いただくことが多いです。

ただし現状、金属3Dプリンター用の金属粉末として手に入るステンレス系の材料としては、「17-4PH(SUS630相当材)」「SUS410」「SUS304L」「SUS316L」「SUS904L」となっており、SUS304は含まれていません。ただし化学成分や機械特性を見ると、他の材料でも用途に問題がないことが多々あります。

今回は、上記材料の機械特性比較表を作成したみたいと思います。

 

■金属3Dプリンターで造形可能な金属粉末材料の一覧(ステンレス)

3Dプリンター造形可能材料の機械特性比較

このように硬さ(HBW ブルネイ硬さ)を見ても、SUS304に遜色がない状態になっています。耐力を見るとSUS304は高い数値となっていますが、SUS630(析出硬化処理後)を見ると、耐力においてもSUS304に対し、大きく上回る数値が出ています。

 

各社金属3Dプリンターでの材料開発を積極的に進めているので、造形可能な材料は今後さらに増えていくことが予想されます。

製品の「実現したい機能」に合わせて、最適な材料・最適な形状を設計していくことが、今後の製品開発を行う上で最も重要なポイントになっていくと思いますので、弊社も金属3Dプリンターの性能を最も生かした製品開発の体制強化に取り組んでいきたいと思います。

 

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