2020年1月21日(火)に兵庫県立工業技術センターで開催された、“令和版「3Dプリンターの実力」セミナー”に参加させていただきました。
参考:セミナー紹介パンフレット
<当日のプログラム>
プログラム➀ 「Kansai-3D実用化プロジェクト」のご紹介
(経済産業省 近畿経済産業局 谷川 淑子 氏)
プログラム②「金属新素材研究センター・ひょうごメタルベルトコンソーシアム」のご紹介
(兵庫県立大学 長野 寛之 氏)
プログラム③「産総研3D3プロジェクト」のご紹介※紙ノギスによる計測体験あり
((国研)産業技術総合研究所 高辻 利之 氏)
プログラム④【事例紹介1】 「金属3Dプリンタ活用」
(伊福精密株式会社 伊福 元彦 氏)
プログラム⑤【事例紹介2】 「HP JetFusion活用事例」
(リコージャパン株式会社 洪 帥 氏)
プログラム⑥「大面積電子ビーム照射による金属3Dプリンタ造形物の表面仕上げ」
(兵庫県立工業技術センター 技術企画部 山口 篤 氏)
世界からは大きく出遅れているといわれる日本における金属3Dプリンター業界。そんな中でも、3Dプリンターを使って現在取り組んでいるさまざまな新しい技術や事例などが紹介されていました。
産総研の高辻氏による紙ノギスによる3D造形物の測定体験は、参加者同士の対戦形式として、最も測定精度が高かったチームには景品が送られるという、斬新なコーナーもありました。
最も気になった点としては、兵庫県立工業技術センター山口氏が発表された「大面積電子ビーム照射による金属3Dプリンタ造形物の表面仕上げ」という技術。金属3Dプリンターの造形表面をLEB照射により、一瞬で「溶かす」ことにより凸部分の粗さを平たんにする(数μmの凝固層が形成される)という技術です。
金属3Dプリンターで製品を作るにあたって、「表面の粗さを改善したい」というご要望は、非常に多くのお客様よりいただいております。造形した面はどうしてもRa10~20程度の表面粗さとなってしまい、実際に使用するうえではこのままでは使えないことがよくあります。
手仕上げによるみがきやショットブラスト、電解研磨、化学研磨など様々な方法がありますが、それぞれ一長一短であり、特に細かい造形形状となると、研磨ができない部分が増えてきます。
そんな中、新しい表面処理技術が出てくることは、非常に喜ばしいことで、今のところRa1.4μmくらいの形状変化となるようですが、研究が進めばさらに微細な表面仕上げができる技術に育つ可能性があるので、非常に注目しています。