製品開発・試作のサイクルタイム大幅短縮と量産まで

2030年に2兆円!?今後の金属3Dプリンター造形品市場の動向【第44回】

最近少しづつ企業の開発案件が動き出して、金属3Dプリンターの稼働も上がってきました。少しづつ光が見え始めてきたところで、改めて、今後どんな業界で金属3Dプリンターが活用されていくのか?そんなことを、考えてみたいと思います。少し前の資料ですが、NEDOが2018年に発表した、金属積層造形(金属3Dプリンター造形品)の2030年予測を見ていきたいと思います。

 

金属3Dプリンター造形品の市場予測

 

◆2030年には、造形品市場の市場規模が約2兆円と予測。

◆特に、「金型・工具」「エレクトロニクス」「医療」で市場規模を拡大していく。

◆「医療」「航空・宇宙」「発電」については、現時点で社会実装化が先行しつつある。

 

現在も、金型分野については、金属3Dプリンターで製作された3D水管金型の活用が進みつつあります。造形精度や二次加工技術がもっと向上していけば、現在切削などで製作されている金型製造の多くが金属3Dプリンター造形に置き換わっていくという予測も出ているようです。

 

エレクトロにクス分野については、「メタマテリアル」の開発が進んでいます。メタマテリアルとは、光を含む電磁波に対して、自然界の物質には無い振る舞いをする人工物質のことで、例えばこれまで半導体を使用していた、電子デバイスを「メタマテリアル」で代替し、電気伝導度を圧倒的に向上することができるようです。ODECでも、まだ実験段階ですが、電磁波やマイクロ波を使った電子デバイスの造形協力など行っています。非常に微細な形状が必要となる部分を再現できるのは、金属3Dプリンターならではの特長です。

 

造形品市場が2兆円というのは、我々のような金属3Dプリンター製作を行う企業にとって、非常に夢のある予測です。2030年まであと10年、もっと金属3Dプリンター造形に対するノウハウを蓄えていきたいと思います。

 

まだまだ研究開発や実証実験が必要ですが、上記の分野の製品開発をご担当されている場合は、一度金属3Dプリンターでの開発をご検討されてみるのはいかがでしょうか。3Dプリンターを活用した製品開発や設計ノウハウを高めていくうえでも、ODECはご協力させていただきます。

PBF(パウダーベッド方式)でのAM造形なら、ODECにご相談を。

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