皆様新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年は、コロナに始まり、コロナに終わるといったような大変な一年でした。製造業も工場の稼働停止等により、大きな影響を受け、非常に厳しい時期が続きました。国内には回復の兆しも見えてきているかと思いますが、今も輸出は低調な状態が続いていますので、引き続き頑張っていきたいと思います。
さて、今回は、「金属3Dプリンター(AM製造)でメリットを出しやすい加工品」についてお話したいと思います。
3Dプリンターによる製造は、「AM(アディティブ・マニュファクチャリング)」といわれており、これまでの切削とによる「除去加工」と対比した「付加製造」という考え方に基づいています。
そもそもこれまでの製造方法と根本的な考え方が異なるので、既存のアプローチから作成された設計・構造を、AM製造置き換えるのではなく、AM製造を前提とした、新しい製品を開発することが、最も製品の付加価値を高めることにつながるのですが、AM製造に置き換えることでメリットが出やすい製品もあります。
まずは、短納期が求められる製品に圧倒的なメリットがあります。例えば、ヒートシンクのような、金属プレスを始め、切削加工、組み立てなど一連の工程により、完成まで数か月かかってしまうような製品がおおよそ2週間程度の短納期で完成させることができます。
「構造の中に空洞がある」ような形状も金属3Dプリンターによるメリットが出やすいです。これまで溶接加工により製作していた製品が溶接レスで製作することができます。溶接レスによるメリットは、「品質面(強度・気密性)」「納期面」だけでなく、電子デバイスの開発などにおける、特性の向上などにも役立ちます。
金属3Dプリンターの最大特長は「少量多品種」です。なんと一回の造形においても、種類の異なる3Dデータを用意すれば、形状の異なる製品を作ることが可能です。
現場で一品一様に使用されるような治具を作るのに、最適な製作方法といえると思います。
これは金型を作らなくてもよいという金属3Dプリンターの特長から、これまでに製作していた、プレス品や鋳造品を少量生産しなくてはいけないときに、金属3Dプリンターが大きなメリットを発揮します。(金型を製作する必要がなく、コストと時間を節約できます。)
以上、簡単ではありますが、金属3Dプリンターでメリットが出やすい製作物についてまとめてみました。まだ日本国内での金属3Dプリンターの活用は黎明期といったところなので、新しい製品開発はもちろん、既存品の置き換えにも、一度お気軽にご相談ください。