今回は、航空宇宙関連の話題です。
アメリカの宇宙ベンチャーであるRelativity Space社が、機体95%(ほとんど全部ですね)を3Dプリンティングにより出力される、新型ロケット「テランR (Terran R)」の開発計画を発表したとのニュースです。
同社は、「スターゲイト(Stargate)」と名付けた世界最大級の金属3Dプリンターを使用し、約60日で製造するとのことです。部品の点数も従来ロケットの100分の1で、製造時間は約10分の1に短縮されるとのです。
以下ニュース記事
3Dプリンティングにより60日で製造可能なロケット「Terran R」――2段式で完全再利用可能(2021/9/19 fabcross)
・アメリカのロケットベンチャー企業「Relativity Space」は2021年6月20日、3Dプリンターで製造して再利用可能なロケット「Terran R」の計画を発表した。
・同社の持つ世界最大の金属3Dプリンター「Stargate」を使い、60日で製造することができるという。また、構造体ばかりでなくエンジンも3Dプリントするので、タッチポイントやリードタイムが大幅に少なくなり、サプライチェーンがシンプルになり、全体的な信頼性が向上するとしている。
・Terran 1は2021年秋に、Terran Rは2024年にフロリダ州ケープカナベラルから打ち上げられる予定
このRelativity Space社が保有する金属3Dプリンター「Stargate」の最新モデルは高さが約9mと世界最大級だそうです。開発されているロケットは、約66mとのことなので、ある程度の大きさのものを製作し、途中で溶接などで組み立てるのか?強度などに問題がないのか?など気になる点がいくつかありますが、同社の最終目的は、「火星移住を可能とする未来を創ること」だそうで、そのためにも、人工知能により、自動的に製造することができる3Dプリンティングを推進しているとのことです。
我々が製作している3D造形品は、高精度が求められる小型部品になりますが、このように大きな製品を丸ごと3Dプリンターで作るというニュースには、ワクワクしてしまいます。