金属3Dプリンターの造形方式には、パウダーベッド方式をはじめ様々な方式があります。
(過去のコラムで解説していますので、ご参考にどうぞ「【第35回】金属3Dプリンターの造形方式による違いとその特徴」)
先日、マサチューセッツ工科大学(MIT)から大型部品を高速造形できる、液体金属を使った新しい手法(液体金属造形(LMP:Liquid Metal Printing))に関するニュースがありました。
Credit: MIT Self-Assembly Lab
以下にご紹介します。
家具サイズを数分で造形――MIT、高速液体金属3Dプリンターを開発(引用:2024-2-19 fabcross エンジニア)
<ニュースの内容の要約>
〇MITの研究者は、液体金属造形(LMP)技術を用いて、数分で大型部品を製造できることを実証した。
〇この技術では、微小なガラスビーズを床に配置し、溶融アルミニウムを経路に沿って滴下させ、短時間で凝固させて3D構造を形成する。LMPは同等の金属3Dプリントよりも10倍速いとされ、大型で低コストの部品を製造できますが、解像度は低いため、主に建築や工業デザインなど細かなディテールが不要な用途に向いています。
〇アルミニウムで造形された部品は強靭で、高精度なプロセスと組み合わせて機能する家具を製造する可能性が示唆されています。将来的には、一般の人々がリサイクルアルミニウムを使用して金属部品を製造できる可能性もあります。
写真でも見る通りに、かなり造形が粗いため、現状は、既存技術に対する優位性は低いかもしれませんが、造形スピードを上げるという、金属3Dプリンターの大きな課題にこたえられる技術の一つかもしれません。