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【第34回】金属3Dプリンターでよくあるご質問(造形の精度はどのくらい?)

前回コラムではよくあるご質問のまとめとして、金属3Dプリンターの造形価格や品質保証について、お話いたしました。今回は、作り方を中心に、よくご質問いただく内容にお答えしていきます。

 

 

Q3.金属3Dプリンター造形の精度はどのくらいなのか?

 

最もよく質問いただく内容の一つです。また実際にものづくりを行うにあたり、一番重要な点だと思います。

 

まだまだ、市場的な認知度が十分ではないため、「実際にどのような仕上がりになるのか」をイメージしづらいのだと考えています。

 

結論からお話すると、初回の造形においては、作成した3Dデータの寸法から、0.1~0.2mmほどの公差範囲となります。これも、造形品の形状や大きさ、材質などにより、大きく異なってくるため、0.2mm以上のずれが生じることもよくあります。

 

 

この寸法がずれてしまう原因は、下記となります。

(現状、最も精度が高いといわれる、パウダーベッド方式で解説します。)

 

①レーザーのスポット径の問題・・・金属3Dプリンターはファイバレーザ(当社設備ProXDMP200においては、300Wレーザ)で、金属粉末にレーザ照射を行うことにより、金属を焼結させて形状が作られていきます。このレーザのスポット径がおおよそ0.1mmであるため、このスポット径よりも微細な形状(例えば、0.1mm以下の薄壁など)を作ることが物理的にできません。

 

②金属粉末の大きさ・・・金属粉末の粒径はおおよそ40~60µmです。仮に粉末一粒当たり、60µmと仮定します。この金属粉末に、スポット径0.1mm(100µm)のレーザが照射されると、その場所に必要な金属粉末は2粒(60µm×2=120µm)となります。2つの粒は焼結してくっつくのですが、その場所はすでに20µmのずれが発生しています。これだけではなく、その周囲、例えば隣の金属粉末も焼結した金属に影響して、くっついてしまい、そうなると60µmの粒がさらに1つ、20µm+60µm=80µm と これだけでおおよそ0.1mmのずれが発生してしまうのです。

 

③熱によるひずみや残留応力による影響・・・金属は熱を加えると膨張し、その後収縮し固体化します。つまりこの膨張と収縮により、歪みという影響が現れます。これは大きさやレーザを照射する面積にもよりますが、大きな造形品を作ると、それだけ歪みも大きく出てきます。また残留応力によるひずみも発生することがあり、これも熱処理などで対策を行わない限り、寸法のずれに影響を与えます。

 

以上の理由から、そもそも3Dプリンターで造形したままの状態では、既存の金属加工法(例えば切削加工など)と比較すると、精度が劣ります。

 

 

ODECにおいては、これに対処するために大きく二つの対策をご提案しています。

 

[1]二次加工による寸法精度の向上

・寸法精度が必要な部分を、大きめに造形して(削り代を用意しておく)、切削設備での機械加工を行うことで寸法精度出しを行います。

・二次加工を見据えた3Dデータの準備(削り代、チャッキング箇所)が非常に重要となってくるので、ここも含めてご提案ができることがODECの強みだと考えています。

 

[2]造形条件の変更による寸法精度の向上

・一度試作造形を行った後に、レーザの照射条件などを調整したうえで、寸法精度向上を図る方法です。

・場合によっては、3Dデータ側の調整を行うことにより、精度出しを行うこともあります。

・二次加工を行うとどうしてもコストがかかってしまうので、繰り返し造形を行う製品の場合は、この方法で造形条件出しすることにより、その後の製作コストがさがることもあります。

 

 

「どうしても精度が出ない」「既存の加工法では無理」な製品があれば、お気軽にご相談ください。

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