今回は、海外の3Dプリンターメーカーの動向に関して、ご紹介したいと思います。
1月18日のTechCrunch Japanにて、以下のような記事が掲載されていました。
金属3DプリントのDesktop Metalが同業で3Dプリントで入れ歯などを作るEnvisionTECを312億円で買収
(引用元:TechCrunch Japan)
ニュースの概要は以下のようなものでした。
・金属3Dプリンターで知られるDesktop Metal(デスクトップ・メタル)が米国時間1月15日、同業の3Dプリント企業であるEnvisionTEC買収の意向を発表。
・2002年にドイツで設立されたEnvisionTEC社は、フォトポリマー付加製造に特化しており、その技術はDesktop Metal社の既存のポートフォリオよりも、3Dプリント界の寵児であるCarbon社などと直接競合するものとなる。
・EnvisionTECには190種類以上の材料に印刷できる基礎技術があるが、中でも、デンタル分野(歯科用アプリケーション)にて、約1000社の顧客を抱えており、新型コロナウィルスが大流行した中、同社はEnvision Oneデンタル3Dプリンターの出荷台数を前年の3倍に増やしている。
・Desktop Metal社のCEOであるRic Fulop(リック・フロップ)氏は、「この3Dプリント技術は、レストレーション(仮歯)から即日提供可能なフルアーチインプラントまであらゆるものに使用され、通常なら3週間程度待たされるインプラント提供を、手ごろな価格で、即日手に入れることができる唯一のソリューションである」と語る。
医療、とくにデンタル分野は、3Dプリンターの活躍が最も期待される分野の一つです。例えば義歯を入れる場合、これまでであれば、まずは歯形を取り、その後鋳造用の型を作成、鋳造後、削って仕上げるなど工程が長く、出来上がりまで一週間以上はかかってしまっていたと思います。
また、近年では、歯科技工士不足も深刻化してきており、3Dプリンターを使用した製造方法の改革は急務であるといえます。3Dプリンターを使用すれば、患者さんの口腔内を3Dスキャンして、即日義歯やインプラントなどを提供することも可能となってきます。
まだ日本国内においては、許認可や、保険適用の問題など、様々な課題がありますが、今後確実に移り変わっていくのではないかと、楽しみに、期待しています。