先日、日本電子株式会社により、電子ビーム金属3Dプリンター「JAM-5200EBM」を販売開始とのリリースがありました。造形エリアはφ250で高さは400mmまで、電子ビーム方式ということで、最大6kWの高出力電子ビームにより、高速度、高密度な金属造形が可能とのこと。航空宇宙、産業用動力、医療など、高いレベルの品質が求められる分野での利用を想定しているようです。
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電子ビーム金属3Dプリンター「JAM-5200EBM」を販売開始 ー高品質で再現性の高い造形物の量産化を実現ー(日本電子株式会社ホームページ)
電子ビーム式の金属3Dプリンターは、GE Additive社によるArcam Q10plusやQ20plusが有名ですが、日本国内でも積極的に開発が進められています。
前述の日本電子株式会社の「JAM-5200EBM」のほか、パウダDED方式金属3Dプリンタ機「LAMDA200」(三菱重工製)、金属3D積層造形装置「ZKシリーズ」(芝浦機械製)、電子ビーム金属3Dプリンター「EZ300」(多田電機製)、小型金属3Dプリンター「Lasermeister 100A」(ニコン社製)、電子ビーム金属3Dプリンタ「EZ300」(三菱電機製)などがあげられます。
それぞれ設備の特徴があるかと思いますが、全体的には、電子ビームの特徴(造形スピードの早さ)を生かして、大型化がトレンドとなっているようです。
ここで、電子ビーム方式についてあらためてご説明。
「電子ビームは電子の束であり、金属粉末に衝突すると運動エネルギーが対象物の格子の振動エネルギーとなって熱に変換され、この熱により金属粉末を溶融させて、形状を積層させていきます。フィラメントを加熱し放出された電子を電磁コイルでコントロールし照射するので高速なスキャンができ、また、その大半が反射されることなく加工対象物内へ吸収され熱に変換されるため、銅やチタンなど、高融点金属を造形することに長けています。もう一つ大きな特徴は予熱工程を入れることができること、これにより歪みの少ない製品を作ることができます。」
こればかりは、どんな製品を製作したいのかという点によるとしかお答えできません。例えば、レーザービーム方式ですと、高密度で精密な造形が可能である一方で、造形スピードに難点があり、一定以上の大きさの造形物を製作することが事実上難しいという点があります。また、電子ビームであれば、造形速度が速く、大型の製品の造形に向く一方で、面が粗く、微細な造形には向かないというデメリットがあります。
それぞれの設備の特徴をうまくとらえて、自社の事業や製品にどの方式が一番向いているのかをよく考えて、造形方式を選定していくことが重要だと思います。
ODECでは、レーザービームによるパウダーベッド方式の金属3Dプリンターによる造形受託サービスを提供しています。
自社製造ラインに適用させる前のテスト段階の取組などもサポートさせていただきますので、まずはお気軽にお問合せください。