SDSとは、安全データシート(Safety Data Sheet)の略語。これは、化学物質および化学物質を含む混合物を譲渡または提供する際に、その化学物質の物理化学的性質や危険性・有害性及び取扱いに関する情報を化学物質等を譲渡または提供する相手方に提供するための文書。 SDSに記載する情報には、化学製品中に含まれる化学物質の名称や物理化学的性質のほか、危険性、有害性、ばく露した際の応急措置、取扱方法、保管方法、廃棄方法などが記載される。AMで使用される金属粉末材料には、ミルシート(鋼材検査証明書)がありませんので、このようなSDSや、各材料メーカーが提供するデータシートなどで材料の保証を行っています。
フィラメントとは、もともと、細かい糸状の構造のことを表す言葉なのですが、AMにおいては、FDM方式等の材料素材として使用される、熱可塑性樹脂糸(材料)のことを指します。フィラメントは細長い糸状の材料で、リールに巻きつけてあります。代表的な材質は、ABSやPLAなどです。これに加えて、要求特性を実現するための合成素材や強度が高いPCなどのフィラメント素材もあります。
「溶体化処理」とも呼ばれます。 適温に加熱・保持し、材料の合金成分を固体の中に溶かし込み(固溶させる)、析出物を出さないように急冷する処理です。 オーステナイト系ステンレスに対して行われる事が多いのですが、目的は加工・溶接などによって生じた内部応力の除去、劣化した耐食性の向上など組織改善の為に行います。
3Dプリンターで固溶化処理が行われる材質としては、SUS316Lがあります。1010~1150°程度の高温で加熱を行うことで、残留応力の除去や、耐食性の向上などを期待できます。
ただし、固溶化処理を行うことによりひずみを生じるケースもあり、製品が仕上がっている際に実施する場合は、注意が必要です。
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「時効」とは、時間とともに硬さなどの機械的性質が変化することを言います。さらに、温度を加えて、時間変態を促進させる処理を「時効処理」といいます。それに伴って硬さ、耐食性などを変化します。
析出硬化系のステンレスやマルエージング鋼などでは、モリブデン、チタン、銅、アルミニウムなどが鋼の中に溶け込んでいる状態で400-600℃程度に温度を上げると、それらが析出して硬化します。
中でも、SUS630やSUH660等、析出硬化系ステンレス鋼の鋼中に溶け込んだ炭化物を析出させ硬度を上げる処理を「析出硬化処理」といい、前処理としては固溶化処理が必要になります。硬度を重視するH900(470~490℃/AC)から靭性を重視するH1150(610~630℃/AC)まで4段階の熱処理がJISに規定されています。
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主にプラスチックにおける成形品の残留ひずみを取り除くために行う熱処理のことです。特に肉厚が厚いものの場合、残留応力、残留ひずみが残りやすいので、アニール処理が非常に有効となるケースがあります。
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